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日蓮宗 光照山 蓮久寺は、法話の聞けるお寺です。

三木大雲 法話

「見えるものと見えないもの」

歳を取ると時間が経つのが早く感じると言いますが、時間とは不思議なもので、

楽しい時は早く過ぎ、苦しい時は長く感じます。

そこで人間は、目に見えない時というものを見えるようにしようと考え、

出来たのが時計です。日本では最初、量を表す「斗(と)」という字と時間を知らせる

「鶏(にわとり)」を足して「斗鶏(とけい)」と書いたそうです。

見えないものが見えるようになった発明の一つです。現代は、科学万能の世の中ですが、

よく考えると目に見えないものに囲まれているのです。

たとえば、椅子や机も元はどこにあったかと言えば、人間の心の中にあったのです。

例えばまず、机を作ろうと思った時、高さや大きさ、形や色などを心に描きます。

この時点では目に見えません。やがて完成すると、それはもともと心の中にあった目に

見えないものを目に見える形にしたということです。

また言葉も同じで、これは自分の気持ちという見えないものを音や文字にしたものです。

このように考えると、日常生活している中で目にするほとんどのものが元来目に見えなかったのです。

ここまで人間は目に見えないものを見えるように努力してきましたが、一番近くにあって、

絶対にみんなが持っている「心」は、未だに見ることが出来ません。

仏教に、『色即是空 空即是色』という言葉があります。

「色(しき)」を簡単にいうと、目に見えるものです。「空(くう)」とは見えないものです。

言い換えると『見えるものは即ち、見えない。見えないものは即ち見える』ということです。

さらに言い換えると『有るけれど無い。無いけれど有る』ということです。

「心」は皆さん持っておられると思いますが、見せてほしいといわれると見せることが出来ない。

即ち無いのです。しかし、心が無いかと聞かれると、有ります。

現代社会では、見えないもの即ち無いと考えがちですが、見えないものから見えるものが生まれています。

ですから、見えないものを大切にしなければ決して良いものは生まれてきません。

また、見えるものから見えない物を感じることで、その物の大切さを忘れてはいけないのです。

『妙法蓮華経』は、お釈迦様が唯一、ご自分の心のすべてを説かれたお経です。

皆様が『妙法蓮華経』にふれていただくということは、お釈迦様の心にふれるということです。

日蓮上人は「人の心が曲がれば、世界も曲がる」とおっしゃっておられます。

ですから、手を合わせ合掌し、お題目を唱え、お釈迦様の心を共に感じられるように

日々精進いたしましょう。




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日蓮宗 光照山 蓮久寺

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